Grigg`s & Appsはファイナルケーブル同士の掛け合わせで誕生した奇跡のケーブルです。元々はGrigg`sとAppsは別々の系統のそれぞれが固有の価値を持つファイナルケーブルでした。ファイナルケーブルは最初にWatsonが誕生し様々なバリエーション(GND側の多彩な試行錯誤)が生まれました。本来、Watson一種類のみがファイナルケーブルだったのですが奇跡的にも次にGrigg`sとAppsという更に化け物的音質を持つファイナル素材を入手する事ができファイナルケーブルのバリエーションが増えました。最初はこの三種類のファイナルケーブル素材をHOT側に使用しGND側を変更する事で姉妹機種を作っていました。
しかし、ある時そのようなやり方に拘らずファイナル素材そのものを掛け合わせたら一体どんな事が起こるのか?その事を思いついたら矢も盾もたまらず、早速取り組んだのです。そうして初のハイブリッド・ケーブルが出来上がりました。それがGrigg`s & Appsです。
Grigg`s & Appsは二つの系統(Grigg`s とApps)のMIX作となります。HOT側の片側にGrigg`sの線材を使い、もう一方ににAppsを組み合わせたのです。
この二つの素材の最高のパーフォーマンスを引き出す為にGND材を念入りに探しました。そして選ばれたのが1890年に作られたものです。この素材をセンターに使用する事でGrigg`s & Appsは完成しました。
Grigg`s & Appsはある意味普通のオーディオケーブルではありません。いわゆる"電線"的な意味合いから大きく逸脱してシステムの音色の中核として他の全てを支配するかのような力を持っています。この意味がわかる方にこそ相応しいケーブルではないでしょうか。
Grigg's & Apps バッハ研究家 新妻雅弘
オーディオというものは、演奏者の表現した「本質」を今ここに再現する芸術である。
それは細部の音がこうであるとか、どうであるということではなく、視聴者が、演奏者が表現せんとしていた「本質」を自己の内部に発見できるかどうかである。
この「本質」を決定づけるには細部の描写が重要なのだが、GAはその「本質」の再現に直結する要素を的確に抽出し、拡大する。その結果、視聴者は、「過去」であるはずの演奏行為を今ここでおこったこととして、強烈な経験をすることになるのだ。
古い録音であれば特に、このような「本質再現」に直結する要素が薄くなったりぼやけてしまって、なかなかその本質を強烈に経験できない。GAはこのぼやけてしまった「本質」を的確に再生する。このような効果のあるケーブルは稀である。
その音質は密度が濃く、硬質でエネルギッシュだ。まるでアナログのMMカートリッジを最適にチューニングしたときに聞くことのできる硬質かつ長時間聞いても疲れない柔らかい音なのである。
ケーブルを取り替えるだけでこの音をCDで聞くことができるのであるから、CDよりアナログとお考えの方には是非一聴をおすすめしたい。
万能なケーブルではあるが、特に古楽などのジャンルとの相性は抜群であり、古楽趣味の音楽愛好家にとって購入は必須だ。このケーブルをつかえば作曲者や演奏家に最大限の敬意を払ったことになるだろう。
左右よりも前後に拡がる音場。音の描線は、一聴すると若干、硬質に感じますが(鉛筆で言えばHとか)、、そうではないですね。
中~低域まではしっとりなめらかで弾力があります。その上に硬質な高域が乗っかっていて、さらに、その硬質さが生み出すエッジが、高域以外の「全体の響き」にも絶妙な影響を与えています。
このエッジの「とがり具合」が、このケーブルが出す各音像すべてに対しシャープな輪郭を与えていて、現実の音のようなリアル感を出しています。
だからといってすべてがとがっているわけではなく、リアルに聴こえるために大切な部分だけが適度にシャープ(適度なRをとったエッジのように感じます)なので、耳障りな印象はまったくありませんし、音楽的にとても聴きやすいと同時にリアルさがあります。
まるで「中はしっとりなめらか、外はサクッ」のご馳走みたいですね。こういうケーブル、なかなか出会えません。 基本、どの音楽にもマッチし死角はありませんが、最もメリットを感じたのは金管楽器とスネアドラムです。
金属が響く楽器は、ピークがきついと音色を味わうどころではありません が、サックスやスネアがどんなに音をはりあげても、キツさを感じることなく、その音色からミュージシャンの投げかけた表現を感じ取ることができます。
強烈に押し出された音像が表現の起伏を描き切る
Grigg’s & Apps -お客様コメント-
Kenny Barron/The MomentからのFragileを聴く。まずベース音の輪郭のクリアーさに驚かされる。重量感も抜けが良く見通しがよい。
ベース・ソロでは柔軟なしなやかさも抽出されている。ピアノの音も左手の和音が解き放つ余韻も鮮明になっている。シンバルの金属質のクリアー感に美しい柔軟性が加わり打ち付く木製のスティックの弾性が見えるようだ。
当然のように各楽器の分離も明確になってくる。より良い相性としてはヴォーカルに現れた艶のある滑らかさだった。
実像感を確認するためJulie London/Lonely GirlのFools Rush Inを聴いた。妖艶で伸びやか。愛おしくなる歌声とギターのデュオが目を見張る鮮やかさとなった。その場に居るようなヴォーカルを聴くならこのケーブルとした。