AR1890《IRON-VIBRANT-ETC》RCA CABLE 1.0m
AR1890《IRON-VIBRANT-ETC》RCA CABLE 1.0m
商品説明
このAR1890はちょっと聴くと普通のケーブルのように聞こえます。刺激的で派手なエンタメ的要素はこのケーブルには全くないのですから。しかし、聴いていくうちに「これはちょっと違うぞ」となり遂には「おいおい、これなに!?」になってくるのです。
KGBを作った頃はまだまだTMDは鉄素材に対して自身も懐疑的な部分があったので、一部使用に留めておりました。しかしIRON STEELやこのAR1890に至って、そういう段階を過ぎました。構造については一部のGND側を除きこのAR1890は物凄くシンプルな構造です。
AR1890では左右のGNDは敢えて同じものを使っています。またいつもある筈のスタビライザー(外観的には中央部によくある膨らみ)がありません。GNDは19世紀の鉄の線を使用しました。これはTMD初の1890年の太めの線で殆ど曲がりません。それではケーブルにならないのである工夫を施し柔軟性を得ています。勿論、撚り線は使っていません。
一方、HOT側は頭文字AというブランドとRというブランドの線材を使用しています。これは両方、銅線です。この二つの組み合わせに至るまで徹底的に試聴を繰り返し最終的に選ばれたのがAとRだったのです。AR1890のARの部分がこれに相当します。外被のオーガニックコットンは、自然無添加的なものです。ここでの音色変化はほぼありません。内部の素材の音がそのまま出てくるのです。
PS:このAR1890には特別なハンダを使っています。
メロディ・ガルドー 5曲目
人肌温度のVOCAL。繊細極まりない背後の衣擦れ。気配感が見事だ。なにしろ音の自然な立体感がこのケーブルの持ち味で作為的な要素は全くない。
この自然さは従来のステレオ装置が作り出す平板的世界を超越している。AR1890の醸し出す立体感はTMDステルスを使わなくても十分に立体的だ。この音は大変に鮮明であるのだが平面的な音ではない、凸凹がある。実在感のある音と言うのは全て凸凹感があるものばかりなのだ。
クラプトン「クロニクル」 2曲目
音離れの良さ。まずそれを強く感じます。スピーカーという二つの箱が音響エネルギーを放射して音場を作るわけですが、AR1890の音場は前後に深い深度を持ちリスナーはその深みの中に入れるのです。これを臨場感と言うのかも知れません。またGNDが鉄のせいなのか低域の広い範囲でセパレーションの良さを感じます。音に滲みや混濁がなく描線がくっきりしているため低域から中域にかけての視界が大変に良いです。この立体的な定位の獲得だけでもAR1890購入になりそうです。
オアシス11曲目
現場の生々しいレポートをニュース映像が伝えるようにAR1890は録音された現場感をあからさまに出してくる。音楽の良し悪し、好き嫌いを乗り越え、音の現場感を出す事はまず重要だ。好き嫌いはその後でもいいと思う。AR1890はこのオアシスの録音現場に我々を連れて行ってくれるというから有難い。スタジオならではの空気感とか怪しい雑音も含まれるだろう、ある意味スタジオは密室だ、密室発信の音楽をこれまた自らの密室で聞くというのがオーディオマニアだ。なるべく多くの密室情報を味わいたいというオーディオマニアは欲深いのだろうか。如何に現場の音をそのまま出して欲しいか?それが問題だ。このAR1890はまず音と音がくっ付かない、これは鉄の特性だ。加えて従来、平面的だった音がAR1890によって立体化する。
Vince Benedetti, Diana Krall
この曲でダイアナ・クラールに誰かがハモリを付けている、それが実に微妙な音程感で音量も小さい...。黒人女性の天性のハモリのような絶対感はなく、こっそり申し訳なさそうに付けているハモりだ。それがよく聞こえる、メイン・ボーカルも勿論、よく聞こえる、だがハモリも鮮明に聞き取れる、この辺りはオーディオ趣味の隠れた珍味でどれくらい音が分析的に聞き取れるかのテストを常態的に自然にしている。
勿論、音楽も聴いている、だが音もしっかり聴いているのがオーディオマニアと言うものだ。分離感というか分解能というか、とにかくその辺りも実に重要で、AR1890の分離感は音楽にも音質にもいい感じ。歌とハモリの分離感を味わいつつもシンバル・レガートに浸っている自分も居る。ケーブルによる違いは満足感だ。同じ料理(音源)なのにランチとフルコースみたいな違いがある。AR1890はフルコースなのだ。
Instrument Of The Devil: Barton(Vn)
バイオリンを気持ちいい音で聴きたいという潜在的欲求が常にある。Instrument
Of The
Devil、物凄いタイトルだ。このバートンという女性はクロスロードで悪魔に魂を引き渡した訳ではない、代わりに足と交換したのだ、ライナーノーツに書いてある。その代り恐ろしい程のバイオリンの腕を授かったという。
ややサーカス芸的な嗜好も感じる曲が多いが、中には味わい深い曲もある。ここでのステージ感に注目。ステージは5〜7m離れたところの床の上で彼女が弾いているのだが、床面の反射と3D的広がりが顕著に感じ取れる。これは視覚的確認といってもいいだろう。そのステージからヴァイオリンの音がこっちに飛んでくる、この"飛んでくる"というのもAR1890の芸当だ。やはりワイヤーも100年以上も経つと化けるのかもしれない。AR1890に使われている1890年の導体は化け物的資質がある。いや凄い!
実を言うとこのAR1890こそがTMDの分岐点となったケーブルだったのです。このすぐ次にできたのがご存知IRON
STEEL、ともに19世紀の鉄を使用していますが種類が異なります。AR1890はGNDが鉄素材でHOT側は銅線なのです。ゆえに完全に銅と決別したIRON
STEELに比較すると銅線の良さも含まれていることになります。
物凄い存在感。アバンギャルドからこんな音が出るんだと何回も感心した。エッジが立っている訳じゃないのに超分解能、音は自然...... 唖然。